羽織は着物初心者の救世主
着物の上に羽織るものにはコート、羽織、道中着、道行、ショールなどがあります。
外出の際の、防寒と帯が傷むのを防ぎます。コート、道中着、道行、ショールは室内に入ったら脱ぐのがマナー。洋服のコートと同じマナーです。
唯一室内での着用OKなのが羽織です。羽織は洋服で言うと、ジャケットやカーディガンのようなものなのです。
実はこの羽織。初心者には非常にありがたいアイテム。
何故なら、羽織を着てしまうと、着付けの上手下手がわかる後姿が完全に隠れてしまうからなんです。しかも羽織を着ると全体が締まってさまになる。
室内でも着ていられるから、半幅帯で簡単に締めていても羽織を着るときちんと着ているように見えてしまうの。まさに羽織マジック♪
私がきものを着始めたばかりの頃。なにがイヤだったって知らない人にじ〜〜〜〜っと見られるのがイヤでした。きものの良し悪しを値踏みしているのかセンスをバカにしているのかわかりませんが、着付けの上手下手をチェックされているような気がして慣れるまで落ち着かなかったものです。
電車の中でいきなり見ず知らずの人に帯を直されたこともありました。(笑)
そんなときに役立ったのが羽織でした。帯が見えないから多少帯結びがゆるくなっていても誰にも気づかれず、気付けに慣れるまで手放せないアイテムでした。
上級者でもお洒落な人ほど羽織をフルに利用していますから、初心者にはうってつけです。初心者なのに着慣れている人に見えますから。
羽織を着たときの注意点
羽織を着て座るとき、羽織の裾はお尻に敷いてはいけません。後ろに跳ね上げてから座ります。落語家が座布団の上に座るときに羽織をひょいと後ろにはねて座る仕草。あれです。
ところが長羽織のときは椅子など背後のスペースに限りがあると後ろに跳ね上げることができません。かえってシワになってしまうから。羽織は家の中でも着ていてよいアイテムなのですが長羽織はコートの延長として考えたほうがよいかも知れませんね。
季節感のない柄は重宝します。
シースルーの羽織は夏に重宝!
洗える羽織はお天気の怪しいときに重宝
羽織についての豆知識
その昔、羽織は男性だけのアイテムでした。それを最初に着た女性は芸者さんだったそう。意中の人の羽織をもらいそれを羽織ることで愛しい人のぬくもりを感じちゃう。。そんな着方が芸者衆の間でブームになったのが一般女性に広まっていきました。当時の芸者衆は民間女性にとってファッションモデルのような存在だったのです。